江戸時代の浮世絵師葛飾北斎(1760~1849年)の肉筆画や版画を展示している小布施町の北斎館は6月、北斎の作品などを紹介する「HOKUSAI新聞」を発刊する。地元の小中学校の児童、生徒約千人全員に行き渡るように配る。郷土で晩年を過ごした世界的な絵師について身近に感じ、興味を深めてもらいたいとの願いからだ。
新聞はタブロイド判4ページ。季刊の予定。北斎の代表作「神奈川沖浪裏(なみうら)」が表紙を飾る創刊号は、主に江戸時代の版画制作について取り上げた。「北斎版画教室」と銘打ち、絵師、彫師、摺(すり)師など、それぞれの職人の役割を説明している。また「神奈川沖浪裏」のような多色刷りの版画が完成する過程もイラスト入りで紹介。段階的に着色されていく様子が分かる。 このほか、地元の豪商高井鴻山(こうざん)に招かれて小布施を訪れた北斎の人生や、浮世絵が人々に親しまれた時代背景についての解説も。北斎館の企画展などイベント情報も掲載している。
橋本健一郎館長(67)は「肉筆画の制作過程や、北斎の浮世絵から読み取れる当時の文化、風習などもテーマにしたい。江戸文化を学ぶには、浮世絵はいい教材になる」と話す。
北斎館は、学習の場として気軽に利用してもらうため、小中学生の入館を無料にしている。橋本館長は「常に高みを目指し、晩年まで創作を続けた北斎からは、多くのことを学べる。新聞をきっかけに、訪れる子どもが増えればうれしい」と期待している。
創刊号は4万部作る。小中学校のほか、町内の公共施設にも置いて無料配布する。
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